グーグルが検索機能に新機能を追加すると発表した。

社会問題化していた偽ニュースをファクトチェック(事実検証)する機能で、世界中の事実検証機関115団体の協力を得て、ニュースの内容が事実か偽物かを判別する。

「主張と、主張者と、それが正しいかどうか」が表示されることになり、相反する見解や異なる主張が複数存在する場合は、どの団体がどのような見解をもっているかを表示するようだ。

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 トランプ大統領がニューヨークタイムスやCNNなどの主要メディアに対して、彼らの発信するニュースが「偽ニュース(フェイクニュース)だ」と言ったことで、偽ニュースという言葉が一気に知られるようになったのではないだろうか。

 

フェイスブックなどのSNSの利用拡大とともに、事実でないニュース、いわゆるデマが拡散するようになり、嘘がまるで真実のように広がることが問題となっている。

目的としてアクセスを増やして広告収入を得ることや、政治的あるいは思想的なプロパガンダ、個人的なイタズラが挙げられ、実際にその被害にあった人もいるという。

 

インターネットが普及したことにより、主要メディアの記事よりもフェイスブックやツイッターなどの情報を信用する人が増えたことが理由とされ、遠因として「情報を受け取る側の、主要メディアに対する信頼の低下」が考えらる。

 

特にアメリカにおいては、国民のメディアに対する評価が驚くほど低く、「信用する」と答える人よりも「信用しない」と答える人の方が多い。

日本でも「報道しない自由」という言葉が聞かれ、偏向報道に対する問題が事あるごとに取り上げられており、アメリカほどではないものの、各メディアに対する公共報道の在り方への信頼が揺らいでいる。

 

それにより主要メディアが発信するニュースよりも、SNSなどで流される情報や噂の方を信じる人が増えていて、それを利用する人が出てきているのが現状だ。

 

そしてそれは利用者だけでなく運営する側もそうで、フェイスブックのCEOであるザッカーバーグ氏自らが「フェイスブックを国際的なコミュニティーを作るために利用する」といった趣旨のことを発言しており、そうなると単に人と人をつなぐためのツールから、つながり合った大衆へフェイスブックを介して自分たちの都合の良い情報や政治的な思想を拡散するためのツールへと変化するとも言えそうだ。

 

情報化社会を迎え、偽ニュースがあふれるようになり、そのニュースが真実か嘘かを見分ける時代である現在において、グーグルが選択したのが複数の目によるチェックだった。

それがファクトチェックであり、第三者に真実をチェックして貰うということは、これまで情報を真実として報道し、管理していたメディアの権限を奪うこと、と捉えることもできる。

 

ファクトチェックの手法はブロックチェーンの考え方そのものだ。

 

ブロックチェーンはビットコインの基幹技術として知られ、「サトシ・ナカモト」と名乗る正体不明の人物によって発明されたとされる。

一つのパソコンで管理していたデータを、複数のパソコンで紐づけて管理する方法で、ハッキングなどの不正に対して効果を発揮すると言われる。

例えば「送金」を例にとると、今まで銀行などが管理してきた送金のデータを、インターネット上の複数のパソコンで同時に共有・合意することにより、管理者である銀行を介さずに取引ができることになる。

データは複数のパソコンで共有されるため、ハッキングなどの不正操作をするためには同時にすべてのパソコンのデータを変えなければならず、現在それは不可能といわれている。

 

不正操作をされないように銀行をはじめとした管理者は安全性を求めセキュリティーを厳重にしていて、その分の費用が送金手数料などになっていたが、ブロックチェーンを採用することになれば、そのシステムそのものがセキュリティーとなり、送金手数料はほぼ不要となる。

特に海外送金においてそれは色濃く、ブロックチェーンを採用するビットコインの利用が拡大したのはそれが理由の一つとして挙げられる。

 

この効果には銀行も注目していて、銀行内や銀行同士でブロックチェーンを行えば、費用の低下と安全性の向上が見込まれる。

 

ファクトチェックもブロックチェーンも管理する者が一人から複数へと変わり、第三者がチェックするという共通点を持っていて、いわばそれは「管理という権力」の革命と言えるかもしれない。

そしてそれは人類の歴史において、王政から民主主義へと政治形態が変化したのにどこか似ている。